●患者数(12月27日朝 発表)
総患者数: 343名
入院中: 207名(重症9名)
宿泊療養中: 121名
入院調整中: 15名
退院・退所等: 35名(死亡0名)
【解説】
総患者数10名減なのに、入院中患者数10名増で207名。
前日との差だけでは傾向を俯瞰できないので、1週間の移動平均を求めました。平均総患者数に対する平均入院中患者数は12/22までは49%でしたが、12/23から日々増加して12/26には55%になっています。
地域や業種を限定した営業時短要請開始日の12/15の新規患者数の移動平均は41名でしたが、1週間後の12/22には37人に減少しました。しかし、高齢者が占める割合は30%から34%に増加しています。その結果として、総患者数に対する入院中患者数の割合が増加したのかもしれません。時短や警戒度アップは新規陽性者の抑制に若干効果はあったけれども、高齢者率や感染経路不明率に対する効果は、私の稚拙な解析数値には表れていないようです。県の解析結果を待ちましょう。
●保健所別新規陽性患者発生状況(12月26日夜 発表)
伊勢崎 15名
太田 7名
桐生 6名
館林 5名
前橋 2名
高崎 1名
吾妻 1名
計 37名
東毛地域 89%(33名)
年齢60代以上 49%(18名)
感染経路不明 54%(20名)
【解説】
12/26に人口10万人あたりの直近1週間の平均値が、東毛地域全域で3人以上/日(赤色)となりました。12/26に伊勢崎と館林の高齢者福祉施設で集団感染発生が公表されました。伊勢崎の集団感染の接触者検査で陽性となった11名のうち10名が12/26に発表されました。そして、すでに発表されている集団感染の同居家族の感染も発表されて新規陽性者が増加しました。
12/21から12/24までの4日間に発表された4件の集団感染のうち大学の運動部内の集団感染を除く3件(みどり市内の通所介護事業所、安中市内の通所リハビリテーション事業所、食肉処理場)の家族内感染9名を解析しました。その結果、家族が集団感染陽性者であることが判った時点での状況を次の4つのパターンに分類されることが分かりました。
1. 集団感染者も同居家族も発症していなかった(2名)。
2. 集団感染者も同居家族もすでに発症していた(4名)。
3. 集団感染者は発症していたが、同居家族は発症していなかった(1名)。
4. 集団感染者は発症していなかったが、同居家族は発症していた(2名)。
家庭内感染した9名の中には高齢者(4名)、福祉事業従事者(2名)、医療従事者(1名)が含まれています。4つの分類の2、3、4は家庭内に発症している家族がいます(7名)。この場合は、インフルエンザの家庭内感染予防策と同じ対策を早期に開始すると良いでしょう。4つの分類の1(2名)はコロナ特有で、この予防はかなり難しいです。自分が生活している地域の感染状況、家族の社会活動状況、重症化リスクがある家族の有無などの感染危険度を総合的に判断して、できる範囲内の対策をする時期に来ているのかもしれません。
佐竹幸子(元群馬大学准教授/元NPO法人EBIC研究会理事長)
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