●患者数(12月30日)
総患者数: 337名
入院中: 186名(重症9名)
宿泊療養中: 106名
入院調整中: 45名
退院・退所等: 29名(死亡3名)
【解説】
死亡が3名、入院中1名増ですが、重症者数は1名減。総患者数は24名増加となりました。直近1週間の平均値は総患者数で変化なしですが、入院患者数3名減と、僅かながらでも減少し続けています。
●保健所別新規陽性患者発生状況(12月30日)
太田 16名
伊勢崎 13名
館林 12名
前橋 6名
高崎 5名
桐生 3名
その他 1名
計 56名
東毛地域 79%(44名)
年齢60代以上 32%(18名)
感染経路不明 41%(23名)
【解説】
新規陽性者が多いですが、59%(33/56名)は感染経路を追えていました。太田市14名、伊勢崎市で9名、館林保健所管内で5名、高崎市で5名。同居家族への感染が多いのは太田市86%(12/14名)と館林保健所管内80%(4/5名)。濃厚接触者または接触者としての感染が多いのは伊勢崎市89%(8/9名)と高崎市100%(5/5名)。感染拡大予防策のターゲットに明らかな違いがあるようです。
より引用
1日に56名もの新規陽性者が確認されたために、人口10万人当たりの直近1週間の患者数ランキングは19位から17位にアップしました(上図参照)。16位の北海道に追いつく勢いです。北海道は対策の効果が確実に数値で表れています。
新規陽性者の数よりももっと深刻な問題がありました。それは感染経路不明者の55%(12/23名)が高齢者であることです。高齢者は館林保健所管内50%(6/12名)、桐生保健所管内25%(3/12名)、前橋市25%(3/12名)。高齢者のうち、仕事をしている方が58%(7/12名)、無職が42%(5/12名)。無職の80%(4/5名)は館林保健所管内。この年末年始に、館林保健所管内の高齢者福祉施設で新たな集団感染が発生しないことを願っています。
群馬県が他県と異なるのは、新規陽性者や感染経路不明者に高齢者が占める割合が高いことです。医療提供体制を改善するために病床稼働率(在院日数を短くすること)も大切ですが、感染経路不明者の高齢者を少なくすることが感染拡大防止対策の抜本的な見直しの1つだと思います。
佐竹幸子(元群馬大学准教授/元NPO法人EBIC研究会理事長)
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