●患者数(12月28日朝 発表)
総患者数: 345名
入院中: 202名(重症11名)
宿泊療養中: 118名
入院調整中: 25名
退院・退所等: 36名(死亡0名)
【解説】
入院中患者数5名減で202名。しかし、重症2名増で再び過去最高の11名。
新規陽性患者は減少しているけれども60歳以上の新規陽性患者数が減少しなければ、医療提供体制がこのようになるのは容易に説明できます。
11/28に警戒度3になった後も60歳以上の新規陽性患者数の移動平均は上昇し続け、12/9に10名となりました。警戒度4になった12/19後も上昇し続けて、12/25には13名となりました。新規陽性者に占める高齢者の割合は12/20に32%でしたが、これも徐々に上昇して、12/25に37%となっています。12月になって高齢者福祉施設内での集団感染が6件も発生しています。1週間に1.5件の割合で発生しているのです。これが、現在の医療提供体制が改善しない大きな原因の1つだと思います。
集団感染が次の集団感染源となることを危惧しています。昨日のブログで書いたように、12/21から12/24までの4日間に発表された4件の集団感染者から家庭内感染した9名の中には高齢者(4名)、福祉事業従事者(2名)、医療従事者(1名)が含まれているからです。
●保健所別新規陽性患者発生状況(12月27日夜 発表)
館林 18名
伊勢崎 7名
桐生 4名
太田 3名
前橋 3名
高崎 3名
計 38名
東毛地域 84%(32名)
年齢60代以上 45%(17名)
感染経路不明 24%( 9名)
【解説】
12/26に公表され館林の高齢者福祉施設での集団感染の接触者検査で陽性となった17名全員の結果が12/27に発表されました。陽性者15名の居住地が館林保健所管内だったために、館林の人口10万人当たりの直近1週間の平均値が一気に4.0人/日になりました。その他の地域での新規陽性者は少なかったので、12/27の平均値は低下して、群馬県全体の値も低下しました。
この事例に関して、公表されているデータからの教えは「高齢者福祉施設の入居者や利用者だけでなく、職員の健康状態の把握も大切だ」と言うことです。集団感染の接触者として検査して陽性であることが確認された方の中に、12/12(結果判明日12/26の2週間前)に発症していた職員がいました。すでに実施しているかもしれませんが、体温だけでなく、症状の有無を日々確認して記録する。症状が1つでもあったら、直ちに検査をして自宅待機にするなどの対策が必要です。
陽性となった入居者及び利用者12名は介護が必要な方で、年齢は90代が4名、80代が6名、70代が1名、40代が1名です。群馬県は、介護が必要な超高齢者の感染看護の困難さを第1波で経験しました。高齢者福祉施設で日々できる対策をもう一度見直すことが、献身的に感染症医療現場で働いている医療従事者への感謝の表し方だと思います。
佐竹幸子(元群馬大学准教授/元NPO法人EBIC研究会理事長)
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